淑徳巣鴨中学・高等学校
法然上人は、比叡山延暦寺で厳格な修行を行っていました。そこで、高度な仏教学を学びました。しかし、どんなに厳しい修行を行っても、悟りを得ることができず、人間の煩悩の深さと修行の難しさの壁に直面しました。そこで、法然上人は「南無阿弥陀仏」と、お念仏を唱えることで、だれもが極楽浄土に往生できると確信するようになります。そして、自己の救済と他者の救済が一体である「自利即利他」の境地に到達しました。この教えは現代の日本社会においても、多くの人々に共感をもたらしました。
現代社会では教育機会の不平等や経済格差があります。これらの不平等と対比して「理想の社会=ともいき社会」は、すべての人々がともに生き、支え合い、平等な機会を享受できる社会のことです。つまり、私たちは単に自己の利益を追求するのではなく、他者や自然との共存を大切にして、調和のとれた生活を送ることが必要だということです。
今まさに、世界全体が協力し合い、貧困や不平等、気候変動などの課題に取り組むことを目指すSDGs が提唱されています。これにより、誰一人取り残さない社会を目指すという「共生」の考え方が強調されています。SDG s の目標に基づいて「ともいき社会」を目指すことで、不平等が解消し、すべての人々がともに生き、持続可能な社会を築くことができると思います。
私は、生徒会役員として活動を行うにあたって、全校生徒で力を合わせて取り組むことで、皆に喜んでもらえることが自分の喜びになるのだと実感しています。その中で、互いを信頼し、尊重し合うなど目に見えないものに支えられていることに改めて気づくことができました。
そのため、私たちは生かされているご縁に感謝し、他の恩恵によって今日ある自分を、他のために役立てていきます。
令和6年10月31日
淑徳巣鴨中学高等学校
代表 中学3年 陶 宇希 橋本 心優